あなたの思う遺品整理とはどのようなものですか?
「遺品整理の価値観が変わりました。ありがとう」
先日遺品整理をさせていただいた岡山県倉敷市のK様より
このようなお言葉をいただきました。
私共「遺品供養士」がご提供させていただいているのは
不要品回収やゴミの処分とは違い
本当の遺品整理です。
K様のご依頼内容は
「お母さんが一人で住んでた家をすぐに片付けて欲しい」
というものでした。
お見積りに伺わせていただく日時をお伺いすると
「とにかく早く片付けて欲しい。
家が汚くてネズミの糞だらけだし、臭いし、鍵だけ開けるのでお願いします」
と、お急ぎのご様子だったのでお電話をいただいてすぐにお見積りに
行かせて頂きました。
お電話の様子から
・不仲な親子関係だったのかな。
・もしかするとゴミ屋敷なのかな。
と、様々なパターンを想像しておりました。
お電話をいただいてから約1時間後
現地に到着し、K様とご対面し早速鍵を開けて頂きました。
お見積りを始める前に、K様にお母様のお話をお伺いしました。
「お母様はどのようなお人でしたか?」
「差支えなければ家族構成なども教えていただけますか?」
「お母様のご趣味はわかりますか?」
「お母様の好きなモノは何でしょうか?」
などのご質問(ヒアリング)をしていると
「お葬式の前に、葬儀社の人と打ち合わせするときにも同じようなこと聞かれましたが、
片付けにも関係あるんですか?」
と、とても不思議がられておられました。
その後、お見積書をお渡しさせていただき、
見積り内容でご了承頂き、
契約書にも署名・押印を頂き契約完了となり
お客様の作業希望日を伺い、その日に作業を行う事になりました。
作業を開始し、しばらくするとK様が様子を見に来てくださいました。
「引越ししてるみたい」
K様に遺品整理とは、
お母様の大切にされていたモノや大切な想い出を
天国にいるお母様の元でお届けする最期のお引越しです。
ご遺品を通して、
お母様がK様の事をとても大事に想っていたことも
教えて頂きました。
これらを大切なご遺品としてK様にお渡しさせていただくと
「お母さんありがとう」と涙を流しながらお仏壇にお声をかけられました。
大切な人、身近な方との別れは自分が感じているよりも
心に大きな負担がかかっている事がほとんどです。
我々遺品供養士はグリーフケアも含めた遺品整理を行っており、
K様の今の状態から【喪失期】だと推測し、ご対応させていただきました。
※喪失期・・・死を現実に受け止め始める時期にあたるが、
まだ充分に受け止めきれない段階。
怒りや敵意、自責感などの強い感情が表れる時期。
ご遺品をお渡しした後、お仏壇に向かわれたK様は
グリーフ状態から抜け出し、全てを受け止め
前へ進むことができる状態になれたのではないかなと
安心しました。
「片付けが終わったら、誰も住まないから解体も考えている」
と、当初は言われておりましたが、
サービスで行う簡易清掃も終え
最終的な現場確認をしていただきました。
「お母さんとの想い出の詰まったこの家は解体せずに
リフォームして使っていきます。ありがとうございました。」